さんすうLAB.のblog

さんすうLAB.(さんすうラボ)は兵庫県西宮市・夙川にある灘中、算数オリンピックを目指す子ども達のための中学受験算数専門の教室です。

さんすうLAB.(さんすうラボ)は兵庫県西宮市夙川にある灘中、算数オリンピックを目指す子ども達のための中学受験専門の教室です。

灘中入試を20分で解こう③

2015年 灘中 1日目6 
2015灘中1日目6


元の小数の
83は小数15位と16位。12位と13位にするには右に3つ小数点をずらすとよい。
2015灘中1日目6解説

43×0.2510.7543×0.2611.18  よって①=11



元の小数の39は小数9位と10位。12位と13位にするには左に3つ小数点をずらすとよい。

2015灘中1日目6解説2

43×0.093.8743×0.14.3  よって②=4







今年度の問題は、きちんとした準備をしていた子どもたちにとっては、
非常に取り組みやすかった問題だと思います。

この問題で使う考え方は

①循環小数は単独で繰り返すだけでなく、同じ分母をもつ者同士も、同じ仲間になる

②範囲の考え方



①は20105、②は近年では20134他にもたくさん出ている考え方です。

2015灘中1日目6解説3

このように、同じ数字群を順番を変えただけになっています。
この問題で、大切なことは
2010年の過去問は2/7までしか出てこないということです。

☆の部分まで考えを巡らしておけば、サービス問題でした。
過去問の訴えるメッセージをつかみとらないと未来問が自力で解けるようにはなりません。

個人的には循環小数においてもう一つ気になる論点があるのですが…

 


ちなみにラボでは、

No.5
BlogPaint
BlogPaint


というかたちでみんなで学習しました。

⑯の答えは、もちろん142857です。



 
さんすうLAB.主宰 倉田泰成

2015 甲陽学院中 入試問題 解答・解説 
1日目1(1)

甲陽中学らしい問題を一問ご紹介したいと思います。
ぜひ新
6
年生のみんなに解いてもらいたい問題です。
2015甲陽1日目1


32
3726294942+48+あ

83


頑張って外角定理を使いまくった算数が得意な5年生もいると思います。

ところで、5年生を終えると、誰もが知っている多角形の外角の和が360度という定理を知っていますか?



いえ、外角の和が
360
度になぜ決まっているのか知っていますか?



説明の仕方は大きく分けて
2通りあります。

 


①式を使う

N角形の場合

外角+内角=180×N

内角の和=180×(N2)

この差が360

 


②鉛筆くるくる

図のように鉛筆を外角に沿うように回転させてやると閉じた平面では必ず元に戻ります

2015甲陽1日目1解説

この考え方ができれば上の式の意味は分かりますね。

右辺は時計回り、左辺は反時計回りの和を示しています(左下の42度をスタートとした場合)。


ラボでは、
5年生で鉛筆くるくるを使った外角定理のみ紹介して、
6年生後半でどうしようもない角度和求めのとき、最後の考え方として学習しています。

この考え方ができれば、角度ちょうちょうや角度集めが全く不要になるので、
子どもたちが、便利すぎて、こればっかり使って、外角定などをやってくれなくなるので、
最後に持ってきています。
灘中タイプの模試の過去問にもたくさん使えますので、解説が不要になります。

 


5年修了時にこのような考え方ができる子は、今までやってきた学習方法が、
おそらく最難関に即したものだと思うので、このまま歩んでほしいと思います。

延長して角度ちょうちょうや四角形の内角の和をがんばって繰り下がり計算を間違わないようにという人は、もしかしたら、違う方向に進んでいるのかもしれません。

算数と数学の違いはそこで、ルールや知識が少ない分、五感をフルに稼働させ、
問題から何かを感じ取る力を高めるのが算数の役割だと思います。

 


もっと算数って楽しいですよ。もっと自由な科目です。

 


甲陽1問目、この問題ができた人は間違いなく、あともうまくいったと思います。

ちなみに、鉛筆くるくるで何でも解けることは、浜学園時代の担任だった子で、甲陽に進学した生徒が、学校で習った面白かった問題として教えてくれたことです。


さんすうLAB.主宰 倉田泰成

2015 灘中 入試問題 解答・解説 
2日目 2
2015灘中2日目2

(1) 略


(2)
 略 


(3)
 Aの濃さに注目
2015灘中2日目2解説


下の分数をラボでは分子分母等差数列と呼んでいます。

灘中は、分数については、かなり深い特徴を毎年出題しているので、
まだ出題されていない特徴を、思い巡らしたときに出てくるいくつかの特徴のうちのひとつです。

分子と分母がともに等差数列のとき、真ん中の分数は両隣の分数を混ぜ合わせたものになります。


(
)
2015灘中2日目2解説2

実はこの問題、すごく古くからある問題で、塾によってはテキストに掲載されている
360個の貝殻を年齢比で3兄弟が分ける』という問題と本質的に同じです。

(皆さん気付いていませんが…的中ですね)

その問題が、最近ある学校でリメイクされ出題されていました。
ラボでは、その問題を、分数の他の特徴とともに、分数の性質のひとつとして学習しました。


後期
No.27 数の性質⑤

BlogPaint

36000円のお年玉を3人の兄弟が年令の比によってわけます。
例えば長男が
21才,次男が18才,
三男が15才であれば
長男は
14000円,次男は12000円,三男は10000円もらうことになります。
もし,今から2年後に3人の年令の比に分けると次男のもらえる金額は現在よりも200円少なくなるといい,
またもし,今から
2年前に3人の年令の比に分けていたならば
次男のもらえる金額は現在よりも
300円多くなっていたといいます。
このとき現在の次男の年令は    才です。


2015灘中2日目2解説3
 

ちなみに年齢の和は36000円の約数とは限りませんし、ましてや年齢算ではありません。
本質を見抜こうとしないで、解答を丸のみすることはただの問題の浪費です。

この問題が的中か否かは、この分数の特徴を捉えるところまでできたかどうかにかかっています。
約数をくまなく調べても、ただの時間の浪費で灘のメッセージを受け取ることはできません。

 


ここ2年、灘中の問題は過去問をひねるのではなく、過去問を学習したうえで、
何を準備するかということまで要求しているような気がします。

ラボでは当日、教室に来ていた子どもたちと水問題をやりました。
2日目の1番は水問題だったのですが、まったく出ていない水問題は過去問だけでは準備できません。

まったく出ていなかったものが昨年、一昨年と1日目で他の論点(平均の高さ、台形センターライン)
として出していたのですが、
もしかしたら過去問を解いていて、自分でもっとこの分野の問題を解いてみようという姿勢で勉強して欲しい
というひとつのメッセージだったのかもしれません。

 


今も昔も変わらず、灘の伝統だと思いますが、与えられた世界から踏み出す勇気のないものは、校風に合いません。

今年、灘中の門を叩くみんなにも今と変わらず勉強に向き合ってほしいと思います。


さんすうLAB.主宰 倉田泰成

このページのトップヘ