2日目 2
(1) 略
(2) 略
(3) Aの濃さに注目
下の分数をラボでは分子分母等差数列と呼んでいます。
灘中は、分数については、かなり深い特徴を毎年出題しているので、
まだ出題されていない特徴を、思い巡らしたときに出てくるいくつかの特徴のうちのひとつです。
分子と分母がともに等差数列のとき、真ん中の分数は両隣の分数を混ぜ合わせたものになります。
(例)
実はこの問題、すごく古くからある問題で、塾によってはテキストに掲載されている
『360個の貝殻を年齢比で3兄弟が分ける』という問題と本質的に同じです。
(皆さん気付いていませんが…的中ですね)
その問題が、最近ある学校でリメイクされ出題されていました。
ラボでは、その問題を、分数の他の特徴とともに、分数の性質のひとつとして学習しました。
後期No.27 数の性質⑤
36000円のお年玉を3人の兄弟が年令の比によってわけます。
例えば長男が21才,次男が18才,三男が15才であれば
長男は14000円,次男は12000円,三男は10000円もらうことになります。
もし,今から2年後に3人の年令の比に分けると次男のもらえる金額は現在よりも200円少なくなるといい,
またもし,今から2年前に3人の年令の比に分けていたならば
次男のもらえる金額は現在よりも300円多くなっていたといいます。
このとき現在の次男の年令は 才です。
ちなみに年齢の和は36000円の約数とは限りませんし、ましてや年齢算ではありません。
本質を見抜こうとしないで、解答を丸のみすることはただの問題の浪費です。
この問題が的中か否かは、この分数の特徴を捉えるところまでできたかどうかにかかっています。
約数をくまなく調べても、ただの時間の浪費で灘のメッセージを受け取ることはできません。
ここ2年、灘中の問題は過去問をひねるのではなく、過去問を学習したうえで、
何を準備するかということまで要求しているような気がします。
ラボでは当日、教室に来ていた子どもたちと水問題をやりました。
2日目の1番は水問題だったのですが、まったく出ていない水問題は過去問だけでは準備できません。
まったく出ていなかったものが昨年、一昨年と1日目で他の論点(平均の高さ、台形センターライン)
として出していたのですが、
もしかしたら過去問を解いていて、自分でもっとこの分野の問題を解いてみようという姿勢で勉強して欲しい
というひとつのメッセージだったのかもしれません。
今も昔も変わらず、灘の伝統だと思いますが、与えられた世界から踏み出す勇気のないものは、校風に合いません。
今年、灘中の門を叩くみんなにも今と変わらず勉強に向き合ってほしいと思います。
さんすうLAB.主宰 倉田泰成