今年度の灘中入試は、近年のうちでもっとも平均点が高く、
受験生のがんばりはあったと思いますが、全体平均点が6割を超えたため差のつきにくかった入試だということが出来ます。
例年以上に、ボーダー付近にはたくさんの受験生がいるため、
一つの問題が合否に直結したケースが多くありました。
とりわけ国語、理科が簡単になったため、算数の出来は合否に影響があったように感じます。
昨年度は、関西のみならず、関東のかたからもご連絡をいただいたりして、
少しずつラボで取り組んでいることが広がりつつあることを実感しています。

ボールを止めてへだたりグラフを書きます。
上流、下流は関係ありません。
ラボでは流速を消して考える考え方(流速自爆)の回に発展形として、⑨で取り扱いました。
流速自爆は結果論ではありません。
いついかなるときも出会い、追いつきに関しては流速は消えます。
なぜなら、流水算とはエスカレーターの上で追いかけっこをしているのと同じです。
地球上で地球の速度を感じないのと同じく、
エスカレーター上の人たちにはエスカレーターの動きは全く無関係です。
ラボの生徒で全く図を書かずに解いている子もいました。
(書かないことがよいのではなく、書く必要がある前に解けたということです)
ダイヤグラムを書いて、式を消去しているだけでは流水算の本質にはたどり着けません。
線分図だのダイヤグラムだのを加工して結果解けたというのは本当に解けたとは違うと思います。
子供たちが考えられない理由は、僕たち教える側にあります。
卒業生がわざわざ直前期に教室を訪ねてきて、
昨年度の入試の出題意図は、決して難易度をあげたわけでなく、
パターンにはまらないときにどういうふうな反応をするかが見てみたい
と灘の先生がおっしゃってたということを伝えてくれました。
線分図やダイヤグラムはただのツールです。
ツールに操られてはいませんか。
ダイヤグラムを移動させて解くというのは、速さの本質とは少し違う気がします。
さんすうLAB.主宰 倉田泰成