
(1) 64-27=37
(2) 256-81=175
(3) 1024-243=781
今年度、コロナの各学校の自粛要請のため、入試当日学校に行くことはかないませんでした。灘中2日目も朝夙川教室待機から、直接上本町教室に移動し、西大和当日特訓を受講する子どもたちに備えていたのですが、その移動中LINEにて問題を受け取りました。
電車のなかで、問題を見て4以外は、頭の中で解けたので、上本町教室で鉛筆を用いて解こうと思っていたのですが、着いた途端、上本町教室の井筒先生が『4って時間的イチイチやんな』と言われたので、本年度メインの4の解説は井筒先生に譲らせていただきます。
2021年2日目は135が非常に基礎的な問題だったため、2と4が合否を分けることになったと思います。合否を分けるといっても合格者平均が67.8なので、さらに算数で稼ぐという意味においてですが…
とりわけ、本問は『フラクタル図形』の一種である下の図形を自分の手で『書いたことがあるかないか』これで、20点の差がつきました。
この図は、奇数に〇、偶数に×をつけ、問題の表を右斜め下45度の方向から書いたものです。
図の黄色の△、赤の△、青の△の順に目線を広げていきます。
すると2□段のとき、3□個の奇数が含まれていることが分かります。
このように見ると、とても簡単な式と規則なのですが、小学生のみんなが苦手とする見方です。
小学生の規則性と言えば、等差数列、群数列が代表的なものですが、この回の授業では
等比数列に関するものを特集しています。
部分と全体が自己相似になっているフラクタル図形は等比数列の考え方に似ています。
余談ですが、フィボナッチ数列とフラクタル図形も密接なかかわりあいがあります。東野圭吾の小説で先日ドラマにもなった「危険なヴィーナス」では、この相関関係が伏線になっているのですが、僕らにとってはネタバレ的な伏線でした。
この数え方は、訓練しないとなかなか見つけられません。
この単元の代表的な問題であるコッホ曲線は中学入試において割と頻出単元で、塾でも扱うことが多いのですが、根本的に『目線の使い方』を練習しないのです。
にあてはまる数が、図形のなかから数えられますか。
本問の数え方は西大和で2回出題されています。ラボのプリントで扱っている上記の問題は早稲田の問題なのですが、過去に灘の算数では出題されていません。
前回の話の続きなのですが、やはり、灘の過去問のみをやる受験対策はかなり危険だということが分かります。
この見方を身につけるためには、この過去問を来年の受験生にやらせるだけでは意味がありません。この論点をどのように身につけるのかというカリキュラムを組み、論点を徹底的に洗い出すことが必要です。
ちなみに、ラボではこの回の授業で、作図から数え上げ、そして○○を行い、後期にもう一度定義に戻り、○○を行うカリキュラムを組んでいます。○○はここでは書きません。やるのかやらないのかは各塾の判断だと思います。
社会でいう一問一答式問題集だけで、2次試験の問題が解けますか。その単語の意味を理解するには、その周りの状況をきちんと把握する必要があります。
『フラクタル図形』を知ることではなく、『部分から全体へ』という目線の動かし方を身につけてください。
さんすうLAB.主宰 倉田泰成