(1)
調べればすぐわかります。
この問題のルーツはあみだくじの問題だと思います。
あみだくじに置き換えて調べる工夫もありますが、
今回のメインテーマは(2)以降であるので割愛します。
(2)(3)
ポイントは、以下のことに気づくことです。
3回の操作後の並びは、27通り。
そのうち、「2134」「2314」「2341」は、2つずつ出てくる。
↓
1~4の数字の並べ方は、4!=24通り。
4枚のカードがどのように並んでいたとしても、3回の操作で24通りすべて作れ、
そのうち『3通り』は2つずつ作り方がある。
このことに気づけば、(2)(3)もすぐ解けます。
特殊な『3通り』について分析↓
はじめ「1234」 ⇒ 3回後「2134」「2314」「2341」
3回後「????」 ⇒ 6回後「1234」
見比べると、「????」は、「2134」「3124」「4123」であるとわかります。
(2)「2134」は、3回後に2つあるため、9+2=11通り。
(3) 「3124」「4123」は3回後に1つしかないため、27+2+1+1=31通り。
いくつか調べて特殊なものをみつける問題は、灘中の過去問にも多くあります。
この種の問題は、ネタばらしをしてもらった後に、
同じ問題を繰り返し解いてもそれほど力がつくとは思えません。
常に探求心を持ちながら自分で突破口をみつけ、それを快感に思う習慣をつけることが大事です。
何か解き方を教えてもらった時に、
「じゃあこういう場合はどうなるのですか?」と他の方向からの質問をしてくる、
能動的な学習習慣を身につけている子は、5番も完答できていました。
子どもたちは皆、あふれんばかりの知的好奇心を持っています。
その好奇心を満たすことと受験勉強をうまくシンクロできれば、
疲弊しがちな中学受験も前向きに乗り切れるように思います。
一昔前、多くの学校の運動部では、炎天下でも練習中に水を飲むことは悪とされ、
足腰を鍛えるために「ウサギ跳び」が課せられていました。
しかし今では、熱中症予防のため水はどんどん飲めと言われ、
また「ウサギ跳び」は膝を痛めるので禁止されています。
ある時代に「常識」とされていた指導法も、覆される時がくるものです。
中学受験の指導においても私自身が「常識」を疑いながら、進化していかねばと思います。
教育に完成形は無いと思いますが、完成形を目指して進化することは可能です。
子どもたちが将来色々な分野で活躍するための礎を作る、それが中学受験の主目的であり、
そのような礎のできている子を灘は欲しているはずです。
努力するのは子どもたち自身ですが、そこに寄り添う私たちがきちんと導いてあげないと
悔いの残る受験になります。
最難関の受験の最大のカギは視野の広さです。
大きな世界に羽ばたく彼らにふさわしい時間を一緒に過ごしていきたいと思います。
さんすうLAB.上本町教室主宰 井筒安秀