2018灘中1日目4


今年度の灘中入試は、算数1日目が11問、算数2日目が初の大問4問と問題数が減少し、
合格者、不合格者ではっきりと差のつくテストでした。

とりわけ算数1日目は、夙川教室だけでも2人満点がいたので、
きちんとした学習を積んだ人には取り組みやすいテストだったと思います。

ここからの解説でも触れますが、
1日目はうまく解法が思いつかなくても取れるという点が、

また2日目は答案を考える際に、手の打ち方が明示されていて、
悩む選択肢が少なかった点が
全体的な平均点の高さにつながったのだと思います。

 

 30  31   32   33   34   35   

4で割ったあまり    1     3      1      3     1      3    … ⇒5()


302×3×5

2を使うと偶数になるので1余りにはならない

    50  51   52   53   54   55 

4で割ったあまり   1    1      1      1     1      1    …  ⇒9()

 

5×945()

 

ラボでかなり力を入れて取り組んでいる「あまり分類」の問題です。

今回、この問題を最初に取り上げたのは、
「あまり分類」が当たったということが伝えたいからではありません。

 

約数というのは、素因数分解したもののなかから、自由に組み合わせることによって作られるものです。


この解き方を自分で思いつける子は
このイメージがきちんとできています。

 

ここ数年、数の問題は難問が多かったのですが、みなさんどう学習されてきたのでしょうか?

過去問の解説をうのみにしてきただけでは、この考え方は出てきません。
約数の公式を暗記した、もしくは2個ずつペアにきちんと書き出すだけでもこの考え方は出てきません。

 

約数の定義や公式を覚えるのではなく、ある整数を掛け算で表したときの各パーツだというイメージをきちんと持っているかどうかが大切なのだと思います。

今回の入試で必要な能力は計算力でも知識でもありません。

一つの事柄について、どれだけのことを思い浮かべることができるのか、この一点につきます。

 

ラボでよく言うことなのですが、ゆっくり解くのが灘中入試のコツです。

ゆっくり俯瞰し、フォーカスするような感覚が持てない人はやはり厳しいのかもしれません。

これができないからといって、それを挽回するために、灘中の過去問の数字を汚くしたものを、
マイナス20分くらいで解くという練習では、むしろ逆の能力を育んでいるのかもしれませんね。

 

大晦日には、今年のプレを行うことが多いのですが、これでは使えませんね。

 

本質を見る力を養ってください。

 

今年度、関西以外の地区の合格者が増えていたのですが、
ある意味で、考える力が反映されやすい良いテストだったと言うことが出来ます。

時間配分や作業効率は2の次です。

今回のテストは昨年にくらべ、1.5手目もしくは1手であたることが多かったので、
個人的にはもう少し感動的な問題がほしいところです。

 

昨年度2日目の速さは、やはり良問だったと思います。

ダイヤグラムを書いて平行四辺形、それをひっくり返す…それは『感動的』ではないと思います。

 

もっと本質的なところに目を向けると真実は、シンプルなものです。

来年度は間違いなく難しくなります。

2手目』を打てる学習を心がけてほしいと思います。

 

さんすうLAB.主宰 倉田泰成