(1)
赤と青の長方形の面積がa cm2なので、
□×横+□×縦=2×横+2×縦
【面積】 【周りの長さ】
□=2
また、図形式から
(2)
□×横+□×縦=(2×横+2×縦)×2
□=4
4×4=1×16 ⇒{(1+4)+(16+4)}×2=50
2×8 ⇒ {(2+4)+(8+4)}×2=36
(3)
右上の長方形が24のとき
1×24 ⇒周りの長さ=66
2×12 ⇒周りの長さ=44
3×8 ⇒周りの長さ=38
4×6 ⇒周りの長さ=36
2日目の合格者の平均から考えると、大問1大問2が比較的簡単だったので、後半の3問でどれだけ手を動かせたかが合否のポイントだったと思います。
なかでもこの大問4は誘導にきちんとのっていくと最後まで詰まる部分がなく、かつ作業ミスもないので、大きく合否に影響を与えた一問だったと思います。
実際(2)までは、金曜日に遊びに来ていたラボの生徒たちはほとんど取れていたようです。
この問題の思考の流れを分析してみましょう。
右辺のかけ算のビジュアル化は面積図が第一手なのですが、今回の説明文は左辺の足し算の式を面積図の中に書き入れる方法を示唆しています。
恥ずかしい話なのですが、問題購入後、次の学校へ向かう電車の中で、問題を眺めるのですが、そのときには説明文を読まずに、先入観で長方形の内部点定理と相似、比例式を使って頭の中で答えを出しました。
電車を降りて、人目につかないところで、鉛筆を使って解き始めるとき、やはり数学的で気持ち悪いので説明文を読んで、問題に入ると気持ちよく最後まで解ききることができました。
(X+Y)×2=X×Y
(X-2)(Y-2)=4…(1)
同様に
(X-4)(Y-4)=16…(2)
(X-4)(Y-4)=24…(3)
これは数学側から眺めた解答です。
今回の説明文はまぎれもなく、算数的思考です。
灘中入試に数学の素養は必要ありません。
どちらかと言えば、問題が提示するコンセプトを読み取る思考が必要です。
『何が言いたいかを読み取る力』は、論理力というより、広い視野です。
図がかけ算を示し、説明文が和を示すということが分かれば、この問題の出題意義が分かります。面積図の用法を暗記しているようでは、見えないですね。解説中の【 】で書いてある部分が頭の使い方です。
これから数学を学ぶ子どもたちに数学の先取りではなく、数学だけでは学べない広い視野を身につけてほしいと思います。
『式でやるのは、簡単で面白くないもん。なんかほかの表しかたない~?』そんな新灘中1年生の声が聞こえてきそうな良い問題だと思います。
『太郎君はア+イの計算をするところを、ア×イとしてしまったため、答えが2倍になりました。アとイに当てはまる数を求めなさい』
元ネタのヒントはここまでです。来年度の灘中入試では、1日目大問7のように、うまく利用して出題してほしいと思います。
ちなみに左上の長方形を積に替えると、No.38でやった図形の問題になります。来年以降、マークするところなので、授業ではより丁寧に扱いたいテーマです。
さんすうLAB.主宰 倉田泰成